2017-10

 - 2012.05.26 Sat

僕がよく聴く音楽はJAZZで、特にピアノトリオが好きです。

その中で最もフェバリットなアルバムがビル・エバンス・トリオの名盤 『ワルツ・フォー・デビー
このアルバムのことは、以前書きました。(「音楽夜話」)


今聴いているのが、エバンス晩年(享年51歳)の名作である 『I Will Say Goodbye』 です。





この録音の前後、前妻(内縁)エレインが鉄道へ投身自殺をとげ、音楽においても絆の深かった兄ハリーが拳銃自殺
自らも麻薬漬けで、精神的にも肉体的にももがき苦しんでいた時期でした。

でも、「だから」と言うべきか、このピアノの美しさは一体何でしょう。
悪魔の指のような繊細なタッチ、天使の羽根のような柔らかさと大胆さ

かといって、ユーロジャズのような耳触りのよいロマンチズムだけでないところがエバンスのエバンスたる所以で、よく言われる「沈美的」という形容がぴったりかも知れない。

自らの責任が招いた妻の死、理不尽な身内の死と共に、ドラッグに溺れていく自分自身と向き合う彼は、鍵盤を紡ぎながら何を考えていたのでしょう・・・題名どおりの 「さよなら」 なのでしょうか。

エバンスの死を 「長い時間をかけた自殺」 と表現する人がいます。

アルバムジャケットの写真…長い上り坂の頂に停めてある一台の車
向こうに見えるのは朝焼けで、車に乗ったエバンスは新しい旅立ち(再起)を夢見たのか
あるいは夕焼けで、上りきった先にある奈落へ自ら身をゆだねようとしたのか

まあ、ジャケ画まで何かの暗示と考えるのは、単なる深読み、こじつけかも知れませんが、少なくとも「音楽」と言う媒体にはごまかしが効かない。演奏者の内面が色濃く反映するものだと思います。


このアルバムもエバンスの狙いどおり、ピアノのみが独走するのではなく、他のベース・ドラムも同格のインプロビゼーションを奏でていて、素晴らしいインタープレイが展開されるのですが、惜しむらくはベースの音が悪すぎですね。
何か加工したのかな・・シンセの電子音みたい。


それにしても、ビル・エバンスの曲は聴き飽きるということがありません。
いつも新しい発見 (喜び・悲しみ・興奮・虚無感・知性) がそこにあるからでしょう。





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