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 - 2015.05.23 Sat

アンドレ・アガシが錦織のプレーを「お金を払っても見たい」と評していた。
つまり彼の試合そのものが上質のエンターテイメントなのだ。
最近はNHK BSで放映していることもあり、スポーツとは無縁そうな(失礼)おばさんが「ニシコリすごかったわね~」ともらす声をよく耳にする。なにがすごいのか。
日本人、同郷人であることを差し引いても余りあるこのワクワク感は一体なんなのか。

普段は「天然」なのに、コートに立つとストイックな求道者に変わるその落差。
試合開始が遅くなっても何ひとつ不平を言わず、地元紙が「まるで聖者、天使のよう」と驚くほどの謙虚さ。
セオリーを打ち破る斬新なゲーム展開…あげれば、十指でも足りない(全部書きたい!)ほどだが、一番といえば彼のショットのすごさを挙げたい。

背の低い日本人が今主流の高く跳ね上がるスピンボールを取るのは大変だ。
軌道の頂点では手が届かないし、落下を待って打つとなると、後方に追いやられ、コートカバーすべき範囲が増える。途中や後ろが不利なら「前」に出るしかない。だから必然としてボールの跳ねぎわ、ショートバウンドを叩く。この日本のお家芸「ライジング(上がりっぱな)ショット」の精度が“神業”なのだ。

ポジションが前なので相手にとっては最も短い距離でボールを返され、準備をする暇がない(「時間を奪う」という)。
球ぎわへのアジャストはほとんど感覚的なもので、正直努力で獲得できない。

錦織が「天才」と呼ばれる所以のひとつがここにある。

ただ打感のフィーリングが重要でガットのテンション(張りの強さ)にこだわり、再々ラケットを変える理由もここにある。

加えて、錦織のスイングスピードは世界最速級と言われている。コンパクトだから速い。リーチの短さというハンディを物理特性で強みに変えているだけでなく、錦織は優れた予測でいち早くボールの落下点に入り、テイクバックで充分な “ため” をつくった後、ゴムを弾くようにエネルギーを解き放つのだ。
だから小柄な体格にも関わらず、そのボールは重く力がみなぎり、当たりが厚いので、こするスピン系に比べヒッティグの音がハンパでない。

この、速いスイングによるライジングショットがじつに小気味よく、スピード感あふれるノンストップ映画のようで観る者の心拍数を上ていく。




後日(ジョコビッチにストレート負け)

負けちゃいましたね。

いろいろな分析があると思う。僕がこのシーズン当初から気になっていたのが、ダウンザラインのミスショット
ストレート打ちでサイドライン内ぎりぎりに落とすところからこの名があるのだけど、錦織が特にフォアハンドをネットする場面が今回も目立った。
フォアハンドは効き腕だから自由度が高い反面迷いも多く、両手で支えるバックハンドに比べ軸がぶれやすい。僕もフォアが苦手である(だれもきいていない)。マイケルチャンの指導のもとフォアが強化され、クロスの打ちあいでは、ジョコビッチと比肩されるほどの最高水準であるバックハンド並みになったが、前に落ちた短いボールを走りながら打つフォアのストレートが決まらない。

錦織のフォアでどこが進化したかというと、以前はクローズドスタンス(前に足を踏み出し、ボールの軌道に対し平行に構える)が主だったのを、オープンスタンス(足を横に開いてシコを踏むかんじ)に変えたことで、上半身のひねりをエネルギーに変えてボールに伝えることができるようになった。オープンスタンスの成立にはいち早くボールの落下点に移動して構える時間の存在が前提。左右の動きでは、錦織の予測が冴えて余裕を持って走り、ストッピングモーションからいいショットを放っていたが、前後の動きでは当然クローズドにならざるを得ず、チャンスボールへの力みからやや上体を突っ伏して打ち、ネットの餌食となっていた。

しかし、充分修正は可能だろう。

M氏がメディアでよく「ケイは世界一のメンタルの持ち主」とおっしゃるけど、僕は一般的な意味ではそう思わない。
欧米のいわゆる狩猟民族のDNAには何千ショットでもラリーを打ちづけられるタフネスさがあり、今回ファイナルセットでたった一度のブレークを逃さず、獲物に襲いかかるように試合を畳みかけたジョコビッチを見ればそれがわかる。

錦織のメンタルの特徴をいうなら、脳天気なほどの(笑)ポジティブシンキングで、コップの水を「もう半分しかない」でなく「まだ半分もある」ととらえる思考回路。
この人は後ろをふりかえらず前のボールだけに集中できる特殊能力を持っている。だから「気がついたらマッチポイントが来ていた」という、おいおい大丈夫か?の調子はずれな発言が飛び出すのだ。

ジョコビッチはいわゆる「4強」に名を連ねがらも、フェデラーやナダルに勝てず、ずっと辛酸をなめてきた。だからこそ今の地位がある。
錦織も怪我に苦しんだ時期もあったが、馬の目を抜くような勝負の世界で彗星のごとく現れたニューカマーであり、ジョコビッチらに比べればまだまだ「負け」の数が足りない

ましてやこの若者には負けることで数段強くなる傾向があり、同じ相手に倍返しのリベンジを何度もやりとげている。表には出さないが、根っからの負けず嫌いで内に秘める復讐心も執拗なものだと僕はよんでいる。

この恐ろしさを一番知っているのはジョコビッチだろう
。彼は悲願の「生涯グランドスラム」達成(全仏での優勝)を阻むのはナダルでもフェデラーでもなく、この錦織だと感じている…というのは少々身びいきな見方でしょうか。

Get ready for Paris.
がんばれ錦織!!






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