2017-10

 - 2013.11.14 Thu

NHKが開催する『全国巡回朗読セミナー』に参加しました。

場所は鳥取市。朝早くから車で出て4時間かかった。ホント山陰は横になが~いわ。
講師は高橋淳之さんで、現在もNHK「ラジオ深夜便」を担当する現役アナウンサー。
以下、印象に残ったところ

●日本は古来の大和朝廷の勢力拡大によって、多くの地域で「関西弁」が広まり、それが母国語になっている。「関東」弁は江戸で生まれ、それが標準語と言われている。「関西弁」は文書全体の中の音の高低を意識して意味を伝えようとするが、「関東弁」は最小単位である単語の中で音の高低を使い分ける。僕たちの中には「関西弁」が根付いているので、標準語を操るためには、文書全体の音の高低=抑揚を制御する必要がある。

●朗読で大切なのは(抜粋)

話すように読む
・朗読はコミュニケーションなので、一方的に読むのではなく、相手に対して書かれていることばの意味を伝える。「ふだん人としゃべっている」ようにごく自然に日常会話を心がける。

意味どおりのイントネーションを使い分ける
・意味を伝えるのに大きな役割をもつのが「音の高低」。これを使い分け、意味のつながりや切れ目を表す。たとえば
青い屋根の家 ②青い大きな家 ①では平面で読んでもいいのだけど、②では「大きな」を高く発声する。つまり、際立たせたい単語は「高く」言う(プロミネンス)。場合によってはわざと「低くする」や「ゆっくり言う」などがある。

間を上手にとる
・段落の変わり目、場面の変化、時の経過、別の話しの始まり等によって大きな間、小さな間を入れる。聴き手には内容を理解する時間を与え、読み手にとっては息を吸い、整える余裕の時間となる。

4~5m先にいる人に伝えるような大きさで話す
・声は息によって作られる。口先で音を出すのではなく、4~5m先の相手に「放物線を描いて息を届ける」イメージで話す。
姿勢に気をつける
・腹式呼吸を意識する必要はなく、胸をはって「肺の中で共鳴させる」感じで話す。上を向いて「ア~」を天井から降ろしていく感じで発声してみる。

低い音から始めない
・出だしを低い音から入ると、ずっと低くなりがちなので、わざと高い音から始める。ドレミファソラシドの最後のドぐらいから。

関西弁にならないように
・地である「関西弁」が出ると、文書に抑揚つきすぎてクネクネしてしまう。標準語では説明部分は平板で読みあげ、会話は状況を考慮して感情を出す。

実践ではエッセイが1編、小説が2遍をじっくりと読んでいった。それも一人ひとりが読み、全て講師が注釈を入れ、出来るまで何度も繰り返すというなかなか厳しい研修だ。

IMG_1778.jpg


例文Ⅰ「…和食ってなんだろう。「だし」というひともいれば、抽象的に「こころ」と云うひともいる。醤油味だと、和食らしい感じもするけど、醤油が普及したのも、江戸中期以降で、そんなに歴史のある調味料ではない。…」(杉浦日向子の食・道・楽)

ここで、地元で講師を勤めているAさんが、「和食って(間)なんだろう?」と感情をこめて話した。すかさず、講師(高橋)が「このエッセイは杉浦さんがひとり言のようにつぶやいた文書です。あまり感情移入をしてはいけません。」Aさんは声も話しかたも僕から見るとプロ級なのだけど、他の例文でも同じような指摘をされた。(自分の)気持ちがこもり過ぎると作者のねらいから逸脱する危険も大きくなるのだ。
またBさんは「醤油味だと(間)和食らしい感じもするけど」と読んだが、間を空けるなと注意された。句読点にだまされてはいけない。説明文は「ひとかたまり」として、一気に読む。これは全ての生徒が何度となく指摘された点で、朗読の基本と言うべきか。余計な抑揚や間、声の高低は意味を与えてしまうので、単なる情報提供の場面では気をつけなければならない。

例文Ⅱ「…ねえ、マルヤマさん。電話を切った桃子は冷蔵庫から冷えたワインを持ってきて、心のなかでひっそりと話しかける…」(角田光代「彼女のこんだて帖」)

Cさんは「ねえ、マルヤマさん」と大声をあげたが、「ひっそり」とつぶやかなければいけないですね。それは事前に読んでいないとわからない。また、(冷えたワインを持ってきて)の部分はなくても文書は成り立つので、挿入句で「不用」な部分は早めに感情を込めずさらりと読む。

例文Ⅲ「…荻窪行の最終が来た。わずかな乗客は、みな降りてしまった。「最終でえすーぼく、最終よ。いいの?」 折り畳みのドアを引きかけながら、車掌が身を乗り出して訊ねた。バスに乗る前に、恭一はもういちど角筈(つのはず)の街頭を振り返った。店々の灯もあらかた消えた舗道には、野良猫が群れていた。」(浅田次郎「鉄道員」ぽっぽや

これは、父親から捨てられた不幸な子供の描写。「訊ねた」からエンディングが始まるので、文面は段落を置かず続いているが、間をおくこと。そして、あのベテランAさんが「野良猫が群れていた」を謎めいた口ぶりで話した。講師「ここは野良猫だろうと野良犬だろうとあまり意味をもたないところなので、もっと客観的に読んでいいのですよ。」

朗読というのは深い。登場人物の心理状況…高揚感や喪失感、そして無感覚な覚めた気持ちも汲み取らなくてはならない。そして作者が一文一文に託した思いもひっくるめて声で表出するのだ。無味乾燥ではなく、かといって感情に押し流されず。砂漠にちらばる美しい貝殻を拾って歩くように「坦々と目を輝かせながら」読みすすめる。

まあ、こんな感じで、一人ひとりの朗読を録音しそれを再生しながら、自分自身も聞き、みんなで批評をし合うという作業をまる一日行った。
正直、疲れました。

最後全員に講師からの批評があり、僕は「声の印象はいいのですが、全体に間がありません。相手にとっても自分にとっても間は重要です。」との指摘をいただいた。

石見人特有のはばしい性格がでちゃったんかな?
もうちょっと、なんでも落ちついてのぞまないといけませんね。

とても有意義で、すごく「朗読」が楽しく感じられた研修でした。
お気に入りの本があったら、是非音読してみてください!また全然違った魅力に出会えますよ。




研修後、急いで鳥取城下に佇む『仁風閣』へ駆けつけたが、すでに閉館していた。
外観だけでなく中も入ってみたかったな。。。



ふと、空を見上げたら




この後、東郷温泉で一泊し、翌日は三徳山へ登りました。
鳥取は思っていたより広々として、とても気持ちのいい「隣県」でした。

東郷温泉 → http://sutekion.blog.fc2.com/blog-entry-99.html
三徳山 → http://sutekion.blog.fc2.com/blog-entry-100.html


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